歯の黄ばみの原因8つ!

はじめに

自然なツヤのある白い歯は、とても清潔感があり魅力的です。しかし、日常生活のさまざまな原因によって歯が黄ばんでしまい、自分の歯の黄ばみについて悩んでいる方は少なくありません。

そこで本記事では、歯の黄ばみの原因と対策や除去に有効な予防歯科について紹介します。
どんな原因で歯が黄ばんでしまうのか、歯の黄ばみ対策についてお悩みの方は必見です。是非とも最後までご覧ください。

歯が黄ばむ8つの原因

歯の黄ばみには歯の表面に着色して黄ばんでしまうケース(外因性)と、歯の内側が黄ばんでしまい、その黄ばみが歯の表面から透けて見えるケース(内因性)の二つに分けられます。

歯の黄ばみは、主に次の8つの原因が挙げられます。

  • 1.飲食物による黄ばみ
  • 2.たばこによる黄ばみ
  • 3.歯垢(プラーク)と歯石によって黄ばんで見える
  • 4.虫歯による変色
  • 5.お口の中の乾燥による黄ばみ
  • 6.抗生物質の影響による黄ばみ
  • 7.加齢による黄ばみ
  • 8.生まれつきの歯の色

一つひとつ説明します。

食べ物や飲み物による黄ばみ(外因性)

ポリフェノールを含む飲食物や濃い色素が含まれた飲食物を習慣的に摂取すると、歯に着色汚れ(ステイン)がつき黄ばみます。着色しやすい代表的な飲食物は次のとおりです。

◼︎着色しやすい飲み物

赤ワイン・コーヒー・緑茶・紅茶・トマトジュース・野菜ジュース、ココア、ウーロン茶、豆乳、炭酸飲料など

◼︎着色しやすい食べ物

  • ブルーベリー、いちご、カシス、ブドウなどの色の濃い野菜
  • ほうれん草などの色の濃い緑黄色野菜
  • 豆腐や納豆など
  • カレー、ケチャップ、マスタードやレモンなどの酸性の強い食品
  • しょうゆ、みそ、ソースや焼き肉のタレなどの調味料
  • チョコレート

たばこによる黄ばみ(外因性)

たばこを吸うと歯が黄ばむ原因は、たばこを吸うときに発生するタール(ヤニ)です。タールは黒っぽい色でネバネバしており、たばこを吸うと口の中に広がり、タールが唾液の中に含まれている成分と融合して歯に着色します。

たばこのヤニは飲食物のステインに比べて粘着力があるので歯に付着しやすく、喫煙者の多くは毎日数回たばこを吸うため、歯の黄ばみが蓄積され定着します。

歯垢(プラーク)と歯石によって黄ばんで見える(外因性)

歯磨きが不十分な場合、お口の中に食べかすや細菌の塊の歯垢(プラーク)が残ります。プラークはもともと白っぽい色をしていますが、飲食物の色素の影響で黄色っぽく変化します。

プラークは2日程で固まり、歯石になります。歯石もプラークと同様、飲食物の影響で色がつくケースがあり、歯が黄ばんで見えます。歯石は自分で除去はできず、歯科クリニックで専門的な器具を使用しなければ除去できません。

虫歯による変色(外因性)

プラークと歯石は虫歯菌の温床です。虫歯菌は糖分をエサにして酸を作り出し、その酸によって歯を溶かします。虫歯が進行すると徐々に歯は黄ばみ、悪化すると黒くなります。

初期段階の虫歯は痛みがないため、多くの人は気づきません。痛みが出たときにはすでに進行しているため、歯も変色しはじめている可能性があります。虫歯は早期発見・治療と、虫歯ができない口腔内の環境作りが大切です。

お口の中の乾燥による黄ばみ(外因性)

お口の中が乾燥すると、着色しやすい口腔内環境を作ります。唾液には殺菌作用や汚れを洗い流す働きがあります。お口の中が乾燥すると唾液の働きが弱まり、ステインやプラークが歯に残りやすくなるためです。口呼吸が癖になっている方は、鼻呼吸を意識するなど注意しましょう。

抗生物質の影響による黄ばみ(内因性)

幼少の歯を形成する時期にテトラサイクリン系の抗生物質を多く摂取すると、副作用で歯が変色します。
1960年代に一般的に医薬品として使用されていましたが、現在はあまり使用されていません。

加齢による黄ばみ(内因性)

歯の表面のエナメル質は、日常的な歯磨きやかみ合わせなどによって少しずつすり減っていきます。エナメル質が薄くなると、エナメル質の下の層(象牙質)の色が見えるようになります。象牙質はもともと黄色く、加齢とともに色味が強くなるため、歯が黄ばんで見えます。

歯ぎしりやかみ締める癖があると、歯の表面にヒビが入ります。年数を重ねるごとにヒビは増え、そのヒビから飲食物の色素が入り込み、黄ばみの原因になることもあります。

生まれつきの歯の色(内因性)

日本人の歯のエナメル質は欧米人と比較して薄い傾向にあり、もともと黄色である象牙質が透けやすいため黄ばんで見えます。肌の色が遺伝するように、歯の色も遺伝します。遺伝の影響によって生まれつき歯が黄色くなるケースもあります。

歯の黄ばみの原因

歯の黄ばみの原因を予防歯科で予防し取り除く!

予防歯科の取り組みは、歯の黄ばみの除去と着色による黄ばみが付きにくいお口の環境を作るために有効です。

予防歯科とは虫歯や歯周病などの口腔疾患になってから歯科クリニックへ行って受ける歯科治療とは異なり、口腔疾患にならないように未然に予防して、口腔内の状態の維持と向上を目的としています。

自分で行う歯磨き(セルフケア)と歯科クリニックで受けるクリーニング(プロフェッショナルケア)の両方を大切にしており、歯科クリニックと連携しながら進めます。

歯の黄ばみを除去するためには、日常的な歯磨きと定期的な歯科クリニックでのクリーニングが必要です。そのどちらも両立して進める予防歯科は、歯の黄ばみ対策に有効だといえるでしょう。

予防歯科とは?メリットと重要性、取り組み

適切なセルフケアでステインを定着させない

日常生活で着色のつきやすい飲食物は避けられません。そのため、着色として黄ばみが定着する前に適切な歯磨きで着色を落とす必要があります。毎食後歯磨きをして、着色が付きにくい口腔内環境を整えましょう。

デンタルケアグッズの併用と歯磨きの注意点

歯ブラシだけの使用では汚れは約6割しか落とすことができないと言われています。
プラークや歯石を作らないためには、磨き残しが多い歯と歯の間や歯の根本をきれいにする必要があります。そのためには、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシの併用がおすすめです。自分に合ったデンタルケアグッズや使い方は歯科クリニックで相談してみましょう。

歯磨きの際、必ずやさしく磨きましょう。ゴシゴシ力を入れて磨くと歯に傷をつけてしまい、知覚過敏になったり、歯の細かな傷から着色しやすくなったりするリスクがあります。

着色を落とす歯磨き粉を使用する

黄ばみを落としながら着色汚れを予防してくれる歯磨き粉があります。
汚れを分解して落としてくれる「ポリリン酸ナトリウム」や汚れを吸着して落とし、歯の細かな傷を修復してくれる「ハイドロキシアパタイト」を含んだ歯磨き粉があり、歯の着色を落とすのに有効です。

研磨剤を多く使用している歯磨き粉は、歯の表面の着色を落としますが、同時に自分の歯にも傷をつけてしまうリスクがあります。研磨剤が入っていない歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。歯磨き粉の種類は膨大にあるため、歯科クリニックでの相談をおすすめします。

日中歯磨きできないときは?

毎食後の歯磨きが理想ですが、日中は仕事や外出で食後に歯磨きができないケースがあります。その際は、お口をゆすいで口腔内に残っている色素を流すことで着色を定着しにくくします。

朝と晩の歯磨きは徹底して行いましょう。

定期的な歯科クリニックでのクリーニングで着色を落とす

毎日どんなに丁寧にセルフケアをしていても必ずプラークや歯石は歯に付着し、歯に黄ばみもつきます。そのため、定期的に歯科クリニックでのクリーニングを受けましょう。プラークや歯石の除去は、虫歯や歯周病の予防にも大きな影響を与えます。

また、定期的に歯科クリニックを受診すると、虫歯や歯周病などの口腔内の問題が発生した場合にもすぐに対処でき重症化を防げるため、虫歯による歯の変色も防げます。

歯科クリニックでのクリーニング

歯のクリーニングは、専門的な器具を使用して清掃・研磨してプラークや歯石、着色を徹底的に除去し、仕上げにフッ素塗布やトリートメントをします。プラークや歯石、着色を除去すると歯はツルツルになり、本来の歯の色を取り戻します。

クリーニングの際、歯磨き指導も行っています。歯の染め出しをして歯磨き指導を受けると、正しいセルフケアが身につきます。

歯のクリーニング

クリーニングの頻度は?

クリーニングの頻度は人によって異なりますが、一般的に3カ月に一度といわれています。着色がつきやすい人や虫歯や歯周病のリスクが高い人、お口の中の衛生状態が悪い人などのさまざまな理由によって、歯科医師や歯科衛生士の判断によって適切な時期を伝えられます。

予防歯科のクリーニングとホワイトニングの違い

予防歯科の歯のクリーニングは、歯の表面についている着色汚れを落とし、自分の歯の色に戻します。そのため、歯自体を白くするホワイトニングとは異なります。

ホワイトニングは専用の薬剤を使用して歯を漂白します。薬剤によって、着色の原因となる歯の色素分子を分解し、半透明なエナメル質をくもりガラスのような状態にして白く見せ、黄色い象牙質を透けにくくします。

自分の歯をより明るく白く見せたいと考えている方は、クリーニングに加えホワイトニングの検討もしてみてはいかがでしょうか。

ホワイトニングとクリーニングの違い

予防歯科で本来の歯の美しさを取り戻そう!

歯の黄ばみの原因は外因的なものと内因的なものがあり、外因的な黄ばみには予防歯科の取り組みである、日常的な歯磨きと定期的な歯科クリニックでのクリーニングが有効です。

当院ではクリーニングの際は丁寧なカウンセリングをしており、患者さまのお口の中の状態に合わせたクリーニングを行っています。歯の黄ばみについてお悩みの方はお気軽にご相談ください。