予防歯科とは、歯や歯ぐきなどの口腔疾患を予防し、長期的にお口の健康を維持・向上させることを目指す取り組みのことです。
治療を必要とする虫歯や歯周病などの問題が起きる前に、積極的な歯科クリニックでのケアと自宅でのケアで、お口の中のトラブルを事前に予防することです。
最近テレビやSNSなどで「予防歯科」という言葉を目にする機会が増えており「予防歯科とは何のこと?何をするの?」このように感じている方も多いのではないでしょうか?最近では予防歯科に力を入れている歯科クリニックも増えています。
本記事では予防歯科がどのようなものなのか知りたい方へ向けて、次の内容を紹介しています。
予防歯科が気になっている方は是非とも参考にしてください。
予防歯科とは、歯や歯ぐきなどの口腔疾患を予防し、長期的にお口の健康を維持・向上させることを目指す取り組みのことです。
治療を必要とする虫歯や歯周病などの問題が起きる前に、積極的な歯科クリニックでのケアと自宅でのケアで、お口の中のトラブルを事前に予防することです。
高齢になっても健康な歯を保つ人が多い北欧では、予防歯科はすでに一般的となっています。虫歯や歯周病は治療しても、元の健康な歯や歯ぐきの状態には戻りません。
最悪の場合、歯を失うことも考えられます。虫歯や歯周病などになる前に、しっかり予防していくことがとても大切です。
予防歯科は短期的にするものではなく、継続していく必要があります。長期的に継続すると、次のようなメリットがあります。
順番に説明します。
適切なお口のケアと予防策をとることで虫歯や歯周病を予防し、お口の中の健康状態がよくなります。
初期の虫歯では痛みがないため、気づかないうちに虫歯は進行します。歯に痛みが出たときにはすでに重症化している可能性が高いのです。予防歯科のアプローチにより、早期に虫歯や歯周病を発見できるため、重症化する前に適切な治療を受けられます。
自分の歯でしっかり噛めると消化促進を促し、栄養が吸収されやすくなります。しっかり噛めることは脳を活性化し、認知症の予防などにも繋がります。
歯を失った場合、入れ歯で歯を補う方法があります。
自分の歯とは異なり、食べ物を噛み切りにくくなったり、入れ歯の種類によっては熱や味を感じにくくなったりします。自分の歯でしっかり噛むことは、食事を美味しく食べられ、全身の健康状態への維持へつながります。
お口の健康は、全身の健康と関連しています。特に歯周病はさまざまな全身疾患と密に関連しており、糖尿病や誤嚥性肺炎、心筋梗塞などの心疾患の病気にも関係しています。
お口の健康状態を維持・向上させることが、全身の健康状態の維持にとって欠かせません。
予防歯科では、虫歯や歯周病などが進行する前に適切なケアをするため、治療にかかる費用と時間が少なくすみます。
虫歯が重症化してしまい、歯の神経を抜かなければならない場合、歯の根っこの治療を終え、最終的なかぶせ物をするまで、個人差はありますが2〜3カ月ほど時間がかかります。虫歯が重度になるほど、治療費は高くなり治療に長い時間が必要です。予防歯科で、重症化しないよう対策していくことがとても大切です。
自分の健康な歯でいることは、自然に笑顔も増えます。歯を失ったとき、歯を補う方法はありますが、口元をコンプレックスに感じてしまう方もいるでしょう。予防歯科のケアによって、歯の見た目や美しさと機能を維持し、自信と笑顔につながります。
予防歯科には、自分で行うセルフケアと、歯科クリニックで行うプロフェッショナルケアがあります。
セルフケアでは、自己流ではなく歯科医師や歯科衛生士のアドバイスのもと、自分に合った方法で進める必要があります。またセルフケアだけでは、お口の健康を維持は難しく、定期的に歯科クリニックを受診し、プロフェッショナルケアを受ける必要があります。
そして、どちらか一方だけでは、予防歯科の効果・メリットは得られないため、必ず両方を進めていくことが重要です。次の項目からそれぞれの内容について詳しく紹介します。
セルフケアとは、お口の中をよい状態で保つために自分で行う口腔ケアです。セルフケアで大切なことは自分に合った口腔ケアアイテムを使うことです。
歯ブラシや歯磨き粉にはさまざまな種類があり、自分の口の中にはどの種類が合うのかは、歯科クリニックで適切なアドバイスを受けましょう。
日常的なセルフケアと注意するポイントは次のとおりです。
歯磨きは口腔衛生の基本です。歯磨きは毎食後、歯垢(プラーク)や食べかすを除去し、虫歯や歯周病、口臭のリスクを減らします。
また、歯と歯の間は汚れが溜まりやすく、歯ブラシが届きにくい場所です。そのため虫歯のリスクが高くなります。
歯と歯の間に入り込んだプラークや食べかすを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシはとても有効です。口腔洗浄液は、口腔内の細菌を減少させ、口臭や歯周病予防に役立ちます。
砂糖や酸の強い飲み物や食べ物を控え、バランスの取れた食事をとることで、虫歯のリスクを減らせます。口腔内の清掃だけではなく、食べ物や飲み物の選択も予防歯科の一つです。
プロフェッショナルケアとは、歯科クリニックで受ける専門的な口腔ケアで、メインテナンスとも呼ばれています。
どんなに丁寧に自分で歯磨きなどの口腔ケアをしていても、必ず歯石は歯に付着し、歯ブラシで落としきれないプラークなどの汚れが溜まります。お口の中に残ったプラークはバイオフィルムになり、歯にベッタリとくっつき、自分での除去は困難です。
定期的なプロフェッショナルケアで、口腔内をきれいにし、お口の中の問題があるときは早期発見して適切な治療やアドバイスを受けられます。
プロフェッショナルケアでは、お口の中の状態に合わせて必要な予防処置をします。それぞれの歯科クリニックによって内容は異なりますが、主に次のとおりです。
歯の染め出しでは、プラーク部分に色がつく染め出し液を使用して磨き残しがどこにあるのかを確認することで、どの部分に磨き残しがあるのか具体的になり、改善できるようブラッシング指導を受けます。同時に、自分のお口の中の状態に合わせたセルフケアアイテムのアドバイスも受けられます。
歯石取りと歯のクリーニングでは、歯の汚れをしっかり落とし、歯科クリニックでしか取り扱えない高濃度のフッ素を塗布で、虫歯を予防します。
歯のクリーニング歯科クリニックで受けるプロフェッショナルケアは一般的に3ヵ月に一度と言われていますが、お口の状況に応じて1ヵ月に一度、2ヵ月に一度の来院が必要なこともあります。自分がどのくらいの頻度でプロフェッショナルケアを受けるとよいのかは、歯科クリニックで相談してみましょう。
通院頻度~何回も通うのはなぜ?予防歯科とは、お口の中の健康を維持・向上させることを目的とし、自宅で行うセルフケアと歯科クリニックで行うプロフェッショナルケアの両方を適切に行うことで、口腔疾患を予防することです。
予防歯科を行うことは、お口の中だけではなく、身体全体の健康へもつながります。
予防歯科について興味がある、予防歯科をやってみようと考えている方はぜひ歯科クリニックで相談し、予防歯科の取り組みをおすすめします。