しみる痛みは、機械を使った歯石除去の際におこりやすいという特徴があります。
機械のパワーを下げることで痛みが和らぐ可能性はありますが、必ずしも痛みがなくなるとは限りません。
もともと知覚過敏の症状がある方は痛みが出やすいため、手で器具を使い歯石除去をすることもあります。
歯のクリニーニング時に
歯が痛む?
歯科医院で行うクリーニングで、
感じたことはありますか?
施術者によって異なると思われがちですが、実は患者さまのお口の中に原因がある場合も珍しくありません。
どんなときに痛みを感じやすくなるのかを把握しておくと、安心して治療が受けられます。
特に痛みに弱い方や、できるだけ痛みのないクリーニングを受けたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
痛みの種類
歯のクリーニングで感じやすい痛みには、「歯がしみる痛み」と「歯ぐきの痛み」の、
2種類があります。
それぞれの原因や対策の有無を知って、できるだけ痛みなくクリーニングを受けられるよう、
お口の中を管理しましょう。
しみる痛み
磨く力に注意
しみる痛みがおこる主な要因は、「力が入りすぎた歯磨き」です。 歯磨きは毎日行うため、気づかぬうちに歯の表面を摩耗していることも珍しくありません。
日本人はもともとエナメル質が薄くできています。
他の国の方にくらべて、知覚過敏の症状がおこりやすいといえるでしょう。
歯ブラシの毛先が正しく当たっていれば歯垢を落とすことは可能ですので、力ではなく当て方を意識して磨いてください。
既にしみる症状の強い方は、知覚過敏用の歯磨き粉を使うことも検討してみてください。
向けの歯磨き粉
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりの強い方は、とても歯に負担がかかります。歯ぐきの位置が通常より下がってしまう歯肉退縮が見られたり、歯茎部と呼ばれる歯の根元が削れてしまうと要注意です。
象牙質という組織が露出してくることで神経へしみる刺激が伝わりやすく、歯石除去の際しみてしまうことがあります。歯の構造上、エナメル質という白く固い組織の下にある象牙質は少し黄ばんでいます。鏡でご自身の歯を一度見てみて、しみる症状が強く、目視でわかる程度の黄ばみが根元ある場合、一度歯科医院に相談することをおすすめいたします。
一度下がってしまった歯ぐきや削れてしまった歯を自然に戻すことは不可能ですので、治療が必要です。まだ症状はないが歯ぎしり・食いしばりが強いと自覚のある方は、就寝時につけるマウスピース(ナイトガード)を使用することで、根元が削れてしみる痛みが出てしまうことを予防できるでしょう。 歯と歯ぐきの間を目掛けて斜め45度に歯ブラシを当てると、より汚れを落とすことができます。
噛み合わせ治療 歯ぎしり歯ぐきの痛み
歯ぐきの腫れがあると、歯ぐきが正常な方にくらべて痛みを感じやすくなります。
歯周病の場合、歯と歯ぐきの境目の溝(歯周ポケット)内の清掃が欠かせませんが、歯ぐきの腫れが原因で痛みをともなうケースも、
少なくありません。
歯ぐきも磨く必要がある
歯磨き=歯を磨くものと捉えがちですが、歯ぐきにも毛先を当てて汚れを落とす必要があります。
傷がつかない程度の力で毎日磨くのが理想です。
また、歯と歯ぐきの間は汚れがたまりやすい場所です。
歯と歯ぐきの間を目掛けて斜め45度に歯ブラシを当てると、より汚れを落とすことができます。
歯ブラシを丁寧にしておくとクリーニングのとき痛みが少ない?
正しい磨き方でお手入れをしていると歯ぐきは落ち着いていることが多く、クリーニング時の痛みを感じにくい傾向にあります。
痛みが出やすい場所と
出にくい場所
お口の中は、前歯が痛みを感じやすく、奥にいくにつれて痛みを感じにくいといわれています。
しかし、それはあくまで正常なケースであって、歯周病が進行している場合は別です。
中等度~重度では歯ぐきの腫れが目立つため、部位に関係なくクリーニング時の痛みを、
感じやすいといえるでしょう。
知覚過敏の痛みは、エナメル質が薄い理由から前歯で感じやすいですが、奥歯でも歯ぐきが下がっていたり、磨く力が強くて歯の根元が削れていたりすると、痛みが出やすい傾向にあります。
クリーニング後に痛みはある?
歯ぐきの炎症が強い場合は、クリーニング後に少しピリピリした痛みが出る方もいますが、一時的なものですのでご安心ください。 クリーニングはホワイトニングとは違うため、処置後の知覚過敏のようなしみる症状は出にくい傾向にあります。
定期的にクリーニングするほうが痛くない?
定期的にクリーニングをすることで、虫歯や歯周病のリスクが減少します。歯ぐきの炎症は歯垢の付着が原因でおこり、歯周病が進行する原因は歯垢が固まった歯石の存在です。
歯垢や歯石を定期的に除去することができれば、その分歯ぐきの腫れは起こりにくくなるため、クリーニング時の痛みも出にくくなります。
歯のクリーニング
まとめ
歯のクリーニング時の痛みには、しみる痛みと歯ぐきの炎症による痛みの2種類に分けられます。
しみる痛みは歯科医院側で調節が可能ですが、歯ぐきの炎症による痛みはなかなか和らげることができません。
セルフケアの改善や定期的なクリーニングを受けることで、歯ぐきの炎症は起こりにくくなります。
痛みに弱い方やできるだけ痛みの少ないクリーニングを受けたい方は、その2点を意識して清潔なお口を維持しましょう。