歯のクリーニングで歯石・バイオフィルム除去!

歯のクリーニングで歯石・
バイオフィルム除去!

通常は歯の表面にバイオフィルムという層が付着しています。しかし、健康なお口を維持するためにはバイオフィルムを除去しなければなりません。 また、歯周病予防には歯石除去も必要不可欠です。除去する理由と方法、そして注意点も含めて理解することで、トラブルのない健康なお口を維持することができます。

バイオフィルムとは

バイオフィルムとは、歯の表面に付着している細菌の塊で作られた薄い膜のことを指します。健康な方であっても口の中には必ず細菌が存在するため、バイオフィルムが全くない状態を保つことは難しいといえます。だからといって放っておいて良いものでもありません。

バイオフィルムが付着することで
起こるデメリット

食べカスや着色がつきやすくなる

バイオフィルムがつくと歯の表面はヌルヌルします。滑りが悪くなるため表面に汚れがつきやすくなり、色の濃い料理や飲み物による着色も目立ちやすくなります。

口臭の原因になる

口臭の主な原因は、お口の中の汚れや歯ぐきからの出血です。バイオフィルムがあることで歯の表面に汚れがつきやすくなりますが、必ずしも汚れが歯ぐきに触れない場所につくとは限りません。
歯ぐきに汚れが長時間ついたままでいると、腫れて、更に放置することで出血が起こります。いわゆる歯周病です。歯周病が悪化すると口臭はとても強くなるため、注意が必要です。

薬剤や殺菌剤などの効果を阻害する

バイオフィルムには、他の異物の侵入を拒否する性質があります。 そのため、薬剤や殺菌剤などの効果が充分に発揮できずに、治療に時間がかかる恐れがあります。

歯石とは

歯石は、歯垢(プラーク)が長時間同じ場所に付着して固まった状態のことを指します。歯垢と同じく歯石内には沢山の細菌が存在しており、そのままにして良いものではありません。

歯石が付着することで起こる
デメリット

食べカスや汚れがつきやすくなる

歯石の表面はザラザラしています。汚れが引っかかりやすいため歯石の上に汚れが付着しますが、多くの方は歯石があることに気がつかずに更に汚れを溜めてしまいます。

歯周病の発症・悪化に繋がる

歯周病は、歯ぐきに歯垢が付着することで起こります。 進行すると歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝が深くなった状態)ができ、そこに歯垢が入って歯石ができます。しかし、歯周ポケット内にある歯石は外からは見えないため、患者さまご自身で気づくことはできません。歯周ポケット内に歯石があると細菌の温床となり、歯周病の悪化速度が上がる方がいます。口臭の原因にもなるため注意が必要です。

歯みがきでは完全に
除去できない?

毎日丁寧に歯みがきをしていても、残念ながらバイオフィルムや歯石は歯ブラシの力だけで除去することはできません。完全に除去するには、専用の機械を使う必要があります。その方法こそが歯科医院で行っている『歯のクリーニング』です。

歯のクリーニングで行っている
3つのこと

歯科医院で行う歯のクリーニングを受けることで得られるメリットは沢山ありますが、具体的に何を行っているのか気になる方も多いのではないでしょうか。 歯科医院によってクリーニングの内容に多少差はありますが、基本的に以下の3つが行われます。

1.歯石除去

スケーラーとよばれる手用の器具または機械タイプのものを使って歯ブラシでは落とせない歯石や汚れ、着色を落とします。機械タイプはキーンとした機械音と振動が特徴で、知覚過敏の方が受けると沁みることがあります。手用スケーラーでは沁みる痛みはありません。
機械タイプを使って痛みが強く出た場合は、手用スケーラーに変えられる歯科医院もあるため、我慢せずに確認することをおすすめします。

歯石を除去する理由

歯石は歯垢(プラーク)が固まったものです。プラーク1mgのなかには、およそ300種類1億個ものの細菌が存在しており、歯石になってもそれは変わりません。 また、歯石の表面にはザラつきがあるため、更に汚れが付着する原因となります。

2.PMTC(専門的機械的歯面清掃)

PMTCとは、歯科医師、または歯科衛生士による専門的なクリーニングのことを指します。 主に歯の表面を磨くことを目的としており、歯石を除去するスケーリングとは別です。 バイオフィルムを除去するには、PMTCが欠かせません。 スケーリングと違い痛みを感じにくいと言われています。PMTCの施術中に寝てしまう方もいらっしゃいます。

PMTCの流れ

  1. 歯の表面を専用のブラシで磨き、丁寧に汚れを落とす
  2. ペーストを塗り込み表面を磨く
  3. フッ化物を塗布し歯を強化

3.エアフロー

エアフローとは、パウダーを歯の表面に勢いよく噴射して汚れを落とす機械です。 着色が多い方限定で使用する歯科医院もあれば、PMTCの初めに行う所もあります。 エアフローにもバイオフィルムを除去する効果がありますが、歯ぐきが腫れている場合は粉を噴射する際に痛みを感じる恐れがあります。

バイオフィルムを最小限に抑える方法は?

バイオフィルムは通常の歯みがきでは完全に落とすことができません。そのため、最小限に抑えるには定期的な歯のクリーニングが必要不可欠といえます。 バイオフィルムの除去だけでなく、歯ぐきの中に入り込んだ歯石の除去、クリーニング後のフッ素塗布によって更に歯を強化することも可能です。むし歯や歯周病の防止は口臭防止にも繋がるため、積極的に定期クリーニングを受けることをおすすめします。

まとめ

歯石やバイオフィルムを放置すると、むし歯だけでなく歯周病や口臭も引き起こされます。 歯ブラシだけの力では除去できないからこそ、つかないための工夫をしなくてはいけません。定期的にクリーニングを受けることは、歯石やバイオフィルムをつきにくくするだけでなく、ご自身では気づかないむし歯や小さなヒビなどを発見し、早期治療に役立つこともあります。一生ご自身の歯で美味しい食事を楽しむためにも、積極的に定期クリーニングを受けることをおすすめします。