歯並びが悪いと集中力の
低下を招く?
噛むことと全身の
意外な関係

はじめに

はじめに

きれいに並んだ白い歯はそれだけで美しいですよね。
しかし、歯並びは見た目だけではなく、勉強、仕事をする際の集中力にも影響します。運動する時の瞬発力や踏ん張る力にも関わってきます。歯並びが悪いと集中力が低下し、勉強や仕事がうまくいかない、力を出したいときにうまく踏ん張れないということも。今回は、歯並びと集中力の関係についてご紹介します。

よく噛むことはいいこと尽くし

よく噛むことはいいこと尽くし

「ヒミコノハガイーゼ」という言葉を
聞いたことはありますか?

これはよく噛むことによるメリットを表した言葉です。

  • 「ヒ」:肥満防止
  • 「ミ」:味覚の発達
  • 「コ」:言葉の発達
  • 「ノ」:脳の発達
  • 「ハ」:歯の病気予防
  • 「ガ」:ガンの予防
  • 「イー」:胃腸快調
  • 「ゼ」:全力投球

よく噛む事のメリット

ゆっくりよく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防ぐことができたり、消化を助けて胃腸に負担をかけにくくなるのです。
また、よく噛むことで脳に流れる血液の量が増加することも近年の研究でわかっています。さらに、口の周りの筋肉がよく動くようになると、言葉の発音がきれいになり、表情も豊かになります。

また、よく噛むと唾液が多く分泌されます。唾液に含まれるペルオキシダーセという酵素は、食べ物の発ガン性を抑える働きがあります。歯やお口の健康とは一見関係のなさそうながん予防にも効果があるのは意外ですよね。

よく噛むことでこれだけのメリットがあるのです。
ひと口30回噛むことを目安とすることが奨められています。

歯並びやかみ合わせは
脳の発達に影響

近年の研究では、歯並びやかみ合わせと脳の発達・活性化には密接な関係があることが明らかになってきました。「ヒミコノハガイーゼ」の中に表されているように、噛むという動作には脳を活性化する働きがあります。

しっかり噛むことで脳への血流が増え、刺激となるのです。また、下顎頭の骨や歯根膜細胞に刺激が加わることで、神経を通じて脳に刺激が送られます。

歯並びやかみ合わせは脳の発達に影響

また、記憶や空間学習力に関する脳の器官「海馬」は血液量の減少に弱いことがわかっています。脳への血流や刺激が減ると、集中力や判断力が衰えてしまう可能性があります。海馬は認知症の代表であるアルツハイマー病における最初の病変部位であるとされています。しかし、もし歯並びが悪いとうまく噛むことができません。このように、正しく噛めないことで脳への刺激に影響があるのです。

歯並びやかみ合わせが悪いと
口呼吸になる?

歯並びの乱れは口呼吸を招きます。

人は本来、鼻呼吸を行うもの。しかし歯並びやかみ合わせが悪く口を閉じることが難しい場合は、鼻呼吸ができずに口呼吸になってしまう場合があります。
鼻でうまく呼吸できずに口呼吸で過ごすと、脳の酸素を大量に消費してしまいます。つまり、口呼吸は脳を過剰に使って疲れさせている状態なのです。疲れやすく、集中力が落ちた状態では勉強や仕事で良いパフォーマンスを出すことは難しいでしょう。

歯並びやかみ合わせが悪いと口呼吸になる?

また、口呼吸で口腔内が乾燥することによるデメリットも引き起こします。風邪をひきやすくなったり、唾液の分泌量が減り虫歯や歯周病、口臭などのリスクが増大します。

虫歯治療 唾液が少ないと口臭を引き起こす?

歯並びやかみ合わせが悪いと
肩こりや耳鳴りも起こる?

歯並びの乱れやかみ合わせの悪さは脳だけでなく、全身へ影響をもたらします。肩こりや耳鳴りなども、実は歯並びの乱れやかみ合わせの悪さからくるものかもしれません。かみ合わせが悪く上下の歯が正しく当たらないと、脳が下顎の骨をずらす信号を出します。
筋肉に負担をかけないように守ろうとする働きによるものですが、これによって骨や筋肉のバランスが崩れてしまいます。

歯並びやかみ合わせが悪いと肩こりや耳鳴りも起こる?

頭蓋骨の傾きや背骨の変形を引き起こした結果、姿勢が悪くなり辛い肩こりや首こりを引き起こしてしまう可能性があります。さらに、顎の骨のずれが口の開閉機能を司る三叉神経や顎の知覚に影響し、耳鳴りやめまいなど耳の機能障害につながることもあります。

歯並びを整えて集中力アップ!

歯並びを整えて集中力アップ!

歯並びの乱れている事によって起こる影響

これまで見てきたように、歯並びの乱れやかみ合わせの悪さは多様なデメリットをはらんでいます。歯並びは、骨格と生活習慣が深くかかわっているとされています。食べ方や舌の癖などの影響もあります。反対咬合(下顎が上顎より出ている「受け口」の状態)であったり、上顎前突(上顎が出ている「出っ歯」の状態)は、生まれ持った骨格である場合が多いでしょう。いつも片側だけで噛む癖がある人や、舌で歯を押す癖がある人が長くその習慣を続けていると歯並びも変化していきます。

子どもの頃からよく噛む習慣がない人は、顎がうまく発達せず口腔内が狭くなり叢生(そうせい)を引き起こします。叢生とは、歯が重なり合ってデコボコに生えている状態です。矯正歯科と聞くと、イメージするのは「矯正器具をつけて歯並びを正しくするもの」という方が多いかもしれません。しかし、どんなに歯並びをきれいに治しても元の顎や口内の状況や生活習慣のままでは、すぐにまた歯並びは乱れてしまう可能性があります。

つまり矯正歯科とは食事の習慣や舌の癖を見直すことでもあるのです。正しい咀嚼の習慣や正しい舌の使い方を覚えておけば、歯並びが乱れるのをある程度防ぐことができます。反対咬合や上顎前突など骨格的な問題がある場合は、一度受診し矯正歯科医師にご相談ください。まだ成長過程である子どものうちに矯正治療を始めると、大人になってから始めるよりも負担をかけずに矯正治療ができます。

まとめ

歯並びやかみ合わせの悪さは集中力の低下を招き、全身に不調をもたらすリスクがあります。
見た目を美しくするだけでなく集中力や記憶力、運動能力の向上、健康のための矯正治療は、早ければ早いほど、効果が出やすいとされています。お子様の歯並びやかみ合わせ方が心配な保護者の方は、ぜひ早めにご相談ください。

大人でも遅くはありません。認知症の予防のためにも歯並びやかみ合わせを良くすることは有意義です。将来の全身の健康のためにも、歯並びについて考えてみてください。

まとめ