はじめに
歯周病というと「年を取ってからなる病気」というイメージを持ってる人も多いですが、実は10代後半からすでに始まっていることも珍しくありません。
むし歯と違って痛みが少なく、静かに進行していくのが歯周病の怖いところ。今回は、年代別に気をつけたいポイントと、今日からできる予防法をお伝えします。
歯周病ってどんな病気?
歯周病は、歯を支えている「骨」や「歯ぐき」が炎症を起こし、徐々に破壊されていく病気です。
原因は歯垢(プラーク)の中にいる細菌。毎日の歯磨きで取りきれない汚れが少しずつ溜まり、歯ぐきが赤く腫れたり、出血します。
そのまま放置すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯がグラグラして抜けてしまう事もあります。
痛みがないのになぜ怖いの?
歯周病の初期段階ではほとんど自覚症状がありません。
「出血してもすぐ止まるし大丈夫」と思っているうちに、歯の周りの骨がゆっくりと溶けていきます。
そしてある日、
- 歯が長く見える
- 口臭が気になる
- 歯ぐきが下がって冷たいものがしみる
などのサインに気づく頃には、かなり進行していることも少なくありません。
年代別の注意ポイント
10〜20代
歯ぐきが腫れて出血する「歯肉炎」が多い時期。
ホルモンバランスの影響で歯ぐきが敏感になりやすく、特に矯正中は汚れが溜まりやすいです。
▶︎歯磨きの後の出血を放置せず、歯科でクリーニングを受けましょう。
30〜40代
仕事や育児で忙しく、セルフケアの時間が減りがちな年代。
ストレスや睡眠不足も免疫を下げ、歯周病の進行を早めます。
▶︎定期的な検診で、歯石除去と歯周ポケットのチェックを。
50代以降
歯ぐきが下がり、歯の根が見え始めると、根面むし歯のリスクも増加。
噛み合わせの変化や入れ歯の使用も関係しています。
▶︎噛みづらい、歯が動くなどの違和感を感じたら、早めに相談を。
歯周病を防ぐ3つの習慣
- 正しいブラッシングを毎日丁寧に
- デンタルフロス・歯間ブラシをプラス
- 定期的な歯科検診
力を入れすぎず、歯と歯ぐき境目を意識して一本ずつ磨くこと。
歯ブラシは1ヶ月を目安に交換しましょう。
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れの6割しか落とせません。歯間清掃アイテムを使うことで、細菌のかずがグッと減ります。
自分では落とせない歯石やバイオフィルムをプロのクリーニングで除去。
3〜6ヶ月に1回のメインテナンスが理想です。
おわりに
歯周病は「生活習慣病」とも呼ばれ、糖尿病や心臓病などの全身の健康にも深く関わっています。
「痛くないから大丈夫」ではなく、「今のうちに予防する」ことが1番の治療です。
毎日の小さな習慣が、10年後のあなたの笑顔と健康を守ります。