歯が抜けた!?
大切な歯を守るため
歯が抜ける前に
やっておくべき予防法

歯が抜ける原因を知ることで
未然に防ごう!

歯の予防

皆さんは、日々生活している中でお口の中のちょっとした変化に気付けていますでしょうか?

「前よりも口臭が気になるようになった」、「歯ぐきから出血するようになってきた」、「歯ぐきから膿が出るようになってきた」などの症状はございませんか? なかでも、「歯が抜けた」という症状が出ると、物を噛んだりする上で不便になるだけでなく、全身にもさまざまな影響が出てくるのです。 今回は、歯が抜けることの全身への影響や、抜ける前にやっておきたい予防法をご紹介いたします。

歯が抜ける原因は、主に「虫歯」や
「歯周病」の進行によるものです

虫歯について

虫歯とは、お口の中に存在する虫歯の原因となる菌(ミュータンス菌)が作る酸が、歯の表面のカルシウム分を溶かし、やがて穴が開いてしまう病気です。 人間の唾液に含まれる成分が、菌が生成する酸を中性に戻す働きをし、歯を酸から守ります。また、唾液は歯の成分であるカルシウムやリンを含んでおり、歯が酸に溶かされている状態(脱灰)を修復(再石灰化)してくれる働きもあるのです。

しかし、虫歯の菌が好む糖分を頻繁に摂取することで、歯の再石灰化が間に合わず、脱灰された状態が続くと、その部分は黒くなり、穴が開いてしまいます。 虫歯を放置し、修復不可能な状態になると、歯が抜けてしまう状態にもなりかねません。

虫歯治療

歯周病について

歯周病とは、歯と歯ぐきの間から細菌が侵入し、歯ぐきに炎症を起こす病気です。炎症が起きると、歯を支える骨まで溶かし歯がグラグラ動き出し、やがて歯が抜け落ちてしまうという恐ろしい病気です。

症状の違いはさまざまですが、今や、成人の約8割がかかっているといわれている国民病でもあります。 歯周病の恐ろしいところは、初期段階ではほとんど痛みがなく進行していくため、気づいた頃には手遅れになっていた、
ということも少なくない点です。

歯周病

虫歯や歯周病を防ぐためには、毎日のセルフケアを徹底することと、定期的な歯科検診を行っていただくことが重要です。

その歯磨きの方法あってる?
正しい歯磨きの方法を知ろう!

歯が抜ける原因である、虫歯や歯周病の予防に重要なことが、毎日のセルフケア、歯磨きを徹底することです。

虫歯や歯周病は歯ブラシだけでは
困難です。

歯磨きは、歯ブラシを使って表面の汚れのみを取っている方が多いですが、実は歯ブラシだけでは全体の6割程度しか落とせない、と言われています。 では、残りの4割はどこなのか。
それは、歯と歯の間です。

そのため、歯ブラシだけを使う歯磨きの方法では、虫歯や歯周病を防ぐことは困難です。 歯ブラシだけでは取りきれない汚れをどう除去すればよいのか。それは、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃用具を使うことです。

歯間ブラシについて

歯間ブラシとは、歯と歯の隙間の汚れを取る道具で、ストレートタイプのものと、奥歯に入れやすいL字型タイプのものがあります。材質は、ワイヤータイプとゴムタイプのものがあります。 サイズも、Sサイズなどさまざまありますので、ご自身の歯の隙間に合わせたサイズを選択して、
使うようにしましょう。

歯間ブラシ

デンタルフロスについて

デンタルフロスとは、歯と歯が接している面や、隙間が狭い歯と歯の間の汚れを取る道具です。指に巻き付けるタイプと、持ち手付きのものがあります。 自分はどれを使えばいいのか分からない、歯間ブラシのサイズはどれがいいのか。迷われた場合は当院に検診にお越しいただき、お尋ねください。歯科衛生士がお口の中を拝見した上でアドバイスいたします。

デンタルフロス

一度失った歯は元には
戻せません…失った後の治療法

歯で悩む女性

虫歯や歯周病によって歯が抜けてしまったが、どうすればいいのか。
1度失ってしまった歯は2度と元には戻せません。

歯が抜けると噛み合わせが悪くなる

歯が抜けてしまうと、抜けた部分で物が噛みにくくなります。物が噛みにくくなると、食べ物の消化が悪くなり、消化器官への負担が大きくなります。

また、歯が抜けると、隣の歯が空間を埋めようと移動したり傾いたりして、かみ合わせが悪くなってしまいます。かみ合わせが悪くなると、噛むたびに顎がずれ、顎関節症を引き起こしたりします。噛みあう歯がなくなることで、今までかみ合っていた歯が伸びてきてしまい、見た目も悪くなってきたりします。

噛み合わせ治療

歯を失った後の治療方法は
いくつかあります

1.補綴物を入れる

補綴物とは、失った歯を補うために入れる物です。主に抜けた歯の両隣の歯を削って橋渡しのようにしてかぶせ物を入れるブリッジや、失った歯の両隣の歯にバネをかけ、物を噛めるようにする入れ歯などが該当します。

いずれも、保険適応のものから自費治療のものまで様々な素材があります。比較的安価で治療を進めることができます。

入れ歯
補綴物

2.インプラントを入れる

インプラントとは、人工の「インプラント体」と呼ばれるものを顎の骨に埋め込み、歯の根の代わりにする治療です。インプラント体を入れたあとは、上に人工のかぶせ物を入れます。 特徴としては、ブリッジや入れ歯に比べて、ご自分の元々あった歯のように違和感なくかめることです。

しかし、インプラントは日本では保険適応外のため、高額になってしまうことがネックです。また、患者さまによっては顎の状態でインプラント体が埋め込めない場合があります。ご興味のある方は一度ご相談ください。

インプラント
インプラント

歯科検診は定期的に
行きましょう

定期検診

虫歯や歯周病を予防するために大事なことは、毎日のセルフケアと定期的な歯科検診を受けることです。 歯科医院でクリーニングをすることで、ご自分では落とせない歯の汚れが落ち、虫歯や歯周病の原因である菌の増殖を防ぐことができます。また、定期的に歯科医院でお口の中をチェックすることで、ご自分では気づけなかった虫歯を発見してもらうことが可能です。 早期発見、早期治療をすることで、最小限の治療で済ませることができるので、治療期間も短くなり、治療費も安く抑えることが可能になります。

また、自分の磨き癖を知ることで、今まで磨けなくて汚れが溜まっていた部分を落とせるようになると、さらに虫歯や歯周病にかかるリスクも低くなります。

歯のクリーニング 予防歯科

まとめ

歯が抜けてしまうと全身に影響が出るだけでなく、失った歯を修復するため時間も費用もかかってしまいます。 歯が抜ける原因を知り、予防することでお口の中の健康維持だけでなく、全身の健康にもつながっていくのです。